冬色の後悔─大好きな、あなたへ─
目の前には、伊織のきれいな瞼に長い睫毛。
......一瞬、何が起こったか分からなかった。
気付いたら、突き飛ばしていた。
「は、はは......伊織、今......え?」
「清華、俺......」
「まっまさか、今キスしたんじゃないよね!?!?うん......」
突然の出来事すぎて、頭が回らなかった。
「あ、また私の顔にいたずらでもしたな!?!?やめてよーもぉー」
あまりにも幼かった私は、伊織の気持ちなんてちっとも考えなかったんだ。
「......っ.......」
伊織が、ものすごくショックを受けた顔をしたのにも、気付かなかった。