guard&search~幕末転生~
「しかし…
随分もらったな…
沖田辺りが喜ぶな…」
ゆったりとした足取りで、壬生浪士組の屯所がある八木邸に向かう。
しばらく歩くと、門番の立つ八木邸入り口が見えてくる。
「すいません…
入隊希望なんですが…」
入り口の門番に声をかけると、厳つい顔の1人が、紅妃をじろじろと眺め、フンっと鼻で笑った。
「お前のような軟弱な奴は、必要ない。
さっさと帰れ」
「…人は外見で決めるものではないな。
とりあえず、上に通せ。
それも仕事だろう?」
「貴様ッ!!」
「おいッ!!よせよ!
分かりました。
ついて来てください」
もう1人の門番は優しそうな顔つきで、中へと誘導してくれた。
なかなか大変だな…
隊士は玄関から中に入り、迷路のような廊下を進んでいく。
奥の方の一室の前まで来ると振り向き、暫く待てと言うと、部屋の主に声をかける。
「副長…
入隊希望者です。
如何いたしますか?」
少し間を置き、不機嫌な声で「通してさがれ」とかえってきた。
この声は土方か…
「中に入れ。
俺はさがる」
それだけ言い残し、門番はさっさと帰っていった。
「…失礼する」
襖に手をかけ、ゆっくり入った。