guard&search~幕末転生~
土方は、顔をあげることも無く、サラサラと書類を書いている。
「…座れ。
入隊希望だってな?」
「人に聞く前に、顔を確認したらどうだ?
土方?」
「あ゛ぁ?
…ッ!!」
いきなり呼び捨てされ、キレたように顔をあげると、目の前の紅妃に驚き目を見開く。
「紅妃ッ!!」
「すまないな。
遅くなったか?」
「…おめぇ…
まぁいいが…
俺達の1週間後だぜ?」
1週間…
まぁ…遅れたな。
「お梅は?」
「…尻尾をださねぇな。
芹沢達の行動も普通だ」
普通とはつまり、歴史通りと言うこと。
嫌そうに眉間にシワを寄せる土方。
「今…
何月だ?」
一番重要なのは、時間。
局中法度が出来る前か、後か…
「…
文久3年、5月だ」
ニヤリと笑い、土方も了解している。
刻が回り始める前。
お梅が動き出すのは…
「おそらく…
8月だな」
お互いの考えが正しくば動くのは大和屋だろう。
土方と意見が合うとはな…
ニヤリと笑い合う。
「さて…
副長殿?
入隊希望なんですが?」
「名は?」
芝居がかった空々しい会話は、お互いが回りを警戒した結果だ。
依頼は成功させる。
彼らの為に…
「御厨…
御厨紅」