guard&search~幕末転生~
「うるさいのは、土方さんです」
「そぉぉじぃぃいッ!!」
原田にイライラをぶつけようとすれば土方に邪魔され、さらにイライラは募り八つ当たりしてしまう。
そんな沖田を理解している土方は、ため息をつくとガシガシと頭をかいた。
「ふぅ…
まぁ…仕方ねぇか…
おい!!入って来いよ!」
土方が呼ぶと道場の入り口から1人やってくる。
女の羽織をかけ、黒い着流し。ショートヘヤーの細身の人。
沖田達が待ち望んだ紅妃だった。
「初めまして。
御厨紅です。
よろしく」
平然と述べる紅妃に沖田達は唖然とする。
「じゃあ、相手は平隊士で…」
「待ってください!」
土方が相手を選ぼうとすると沖田が叫んだ。
「私が、
私が相手します」
道場内は沖田の発言にざわざわと騒ぐ。
沖田は壬生浪士組で1、2を争う使い手。
方や、来た奴はひ弱そうで、派手な着物の美青年。
決着など沖田の勝ち。
相手はぼろぼろになるのが、目に見えている。
「…総司、それは…」
「よろしくお願いいたします。
沖田隊長?」
土方の制止を遮り、紅妃は承諾する。
「…おめぇ…
わぁったよ…
実戦型一本勝負だ。
竹刀か木刀どっちだ?」
「どちらでも…」
「では、木刀にしましょう!
楽しみですねぇ?
紅さん?」