guard&search~幕末転生~
ニコニコ笑い合う2人が道場の真ん中に進んでいく。
「ねぇ…一君」
「なんだ。平助」
「不味くない?
天然理心流って木刀が普段使いだよね?
総司が有利だよね」
確かに、藤堂の言う事も分かる。
沖田は自分の実力を遺憾無く発揮するだろう。
だが…
「…わからん。
紅は何かしらあるんだろう…」
木刀を構え、2人が土方に頷いた。
「…始め!!」
開始の合図がかかると、2人の気配はガラリと変わった。
「本気でお願いしますね」
「わかった…」
沖田は紅妃に頼むと同時に、凄まじい殺気を放つ。
沖田の殺気に平隊士は、脅え、幹部は真剣に見る。
紅妃だけは、爽やかに笑った。
「じゃ、やりますよ…」
紅妃の合図と同時に互いに斬り込む。
バシッ
ガンッ
鍔ぜり合い、力が拮抗する。
「受け止めてやがる…」
永倉の呟きは驚愕に染まる。
総司の一撃は幹部でも受け止めるのは難しい。
「…本気でやると言いましたよね?
紅さんは、私を舐めているんですか!?」
「まさか。
殺気だけが、本気じゃないでしょう。
私はずっと本気ですよ」
ニヤリと笑うと紅妃の撃ち込むスピードはさらに加速していく。
もはや、2人の戦いについていけるのは、幹部だけ。
「…これで決めます」
沖田が三段突きの構えに入った。