guard&search~幕末転生~


「旦那はん、少ぉし出かけて来ますさかい」


「そうか、気をつけて行くんだよ」


そうと決まれば、後は行くだけや。

うちは元々花街の人間や。



探せん事なんかあれへん。



しばらく歩き、懐かしくて憎い、花街『嶋原』についた。


「すんません、桜姐さんおりますやろかー?」


昔、仲の良かった桜姐さんを呼ぶと奥から返事がくる。


「へぇ、なんどすか…って、お梅やない!

どないしはったん?

元気やったかぇ?」


うちの第一歩。


「桜姐さんッ!!」


うちは泣きながら、桜姐さんに抱きついた。

これからの話しをさらに信じてもらうために。


抱きついたうちに、桜姐さんはおろおろしながら、奥へ連れて行ってくれた。


「お梅ッ!!どないしはったん?
お梅を泣かす奴は姐さんがしばいたる!


いぅてみ?」


「桜姐さん…




実は…」




うちの一世一代の幕が開ける…





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