guard&search~幕末転生~
明るい日差しの良い、お出かけ日和のある日。
ついに、大阪出立の日になった。
旅立つ面子に、居残り組は旅の安全と、取り締まりが上手くいく様にと声を掛け合っている。
そんな中どす黒く、不機嫌なオーラを垂れ流す人物がおり、皆遠巻きにしていた。
「…紅妃?大丈夫か?」
「斎藤…」
勇者の如く話しかけた斎藤も旅支度した姿だった。
「…そういえば、斎藤も大阪組だったな」
「あぁ…
後は、永倉さん、総司、山南さん、近藤さん達だ。
その…紅妃…」
改まり呼ぶ斎藤の顔が少し赤みがます。
不思議に思い先を促すと、斎藤は決意した様にバッと顔をあげる。
「大阪だがッ!!
た…」
「紅妃ーッ!!」
斎藤の言葉を遮って、沖田が紅妃抱きついた。
紅妃からは見えないが斎藤に見える角度でニコニコ笑っているが、目だけは笑っておらず、じっと牽制する様に斎藤を見る。
そんな沖田に、斎藤もわざと遮って来た事を理解して、沖田を鋭く睨み付けた。
「総司?」
紅妃の呼び掛けでにらみ合いを終了させ、沖田は紅妃に顔を見せた。
「大阪行きですよ!
美味しいものも沢山ありますからッ!!
紅妃と一緒で楽しみです!」
「いや…仕事しような」
ニコニコと無邪気を装う沖田の発言に紅妃はすかさずツッコミを入れた。
斎藤は話しの裁ち切られ、ため息をついた。
それから、居残り組と挨拶がすみ、浪士組一行は大阪に向けて出立した。