guard&search~幕末転生~


歩き出すと、中々に大変だった。

未来の様に鋪装された道ではなく、砂利の多い山道。
じわじわと体力を奪っていく。

流石に、歩くのに慣れている隊士達も少しづつ息が上がっていく。

しかし、あれだけ嫌がっていた紅妃は、疲れた様子も無く飄々と歩いていたのは、少し意外だった。


「…紅妃は、疲れないんですか?」


「…そんな訳無いだろう。

だが、さして疲れてないがな。

歩くのが面倒だから来たく無かっただけだ。


総司、疲れたか?」


うっすら汗をかいた沖田に、颯爽と歩く紅妃はチラリと視線をやると、少し顔色が悪かった。

「…総司、私の水をやるから飲んで、少し待っていろ」

「え、あ、紅妃!?」


沖田が返事をする前に、紅妃はさっさと先頭にいる近藤と、芹沢の元へ歩いていく。


「局長」


「おや、御厨君、どうしたんだ?」

「なんだ、御厨?」


局長と呼ばれ反応した2人に紅妃は後ろを指す。


「歩いてだいぶ来ました。
隊士達も疲れています。

だらだら歩くより、一度休憩を取るべきかと」


紅妃に言われて見やると、幹部達もやはり少し疲れた様子だった。


「わかった。

皆を休ませろ。近藤」


「はい。

おーい、皆少し休むぞッ!!」


芹沢はさっさと木陰に移動してドカリと座る。

近藤の声に皆木陰に移動していく。


「御厨君、ありがとう」


近藤はニコニコ笑い、自分も休むために移動する。

待たせていた沖田の方に移動すると、メンバーが集まっていた。









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