guard&search~幕末転生~
「あ、紅妃!
ありがとう、お水」
沖田はニコニコとまだ優れない顔色でさっき預けた水を紅妃に手渡した。
「まだ、顔色が悪いな」
そう言い、紅妃はおもむろに懐から手拭いを出すと、水筒の水で少し湿らせてからひろげ、パンパンとはためかせ、細く畳むと沖田の首に巻き付けた。
「ッ!!冷たい!」
「ぬるくなったら、またはたけばいい」
「ありがとう!紅妃!
気持ちいいです!」
「おぉ~、いいなぁ総司!」
微笑ましくも2人が暑さ対策していると、眺めていた面子の永倉がニヤリと笑いながらガシッと、沖田の肩を掴む。
しかも、羨ましかった斎藤は無言で沖田を睨んでしまう。
そんな斎藤に、沖田は永倉を無視してフフンとドヤ顔している。
「まぁ、こんな暑いんだ。
こまめに水分は取るべきだな」
そんな2人に気付かずさらりと皆に注意をする。
「あぁ…まぁなんだ…しかし、紅妃!
お前、凄いな~
まさか芹沢さんにあっさり休憩を了解させるなんてな!」
永倉は、若い2人の思いと攻防に苦笑いをして、話題を無理矢理に変えていった。
昔の時にも確かに休憩はあったが、もう少し先で、沖田が駄々をこねた時だった。
紅妃が隊士達に気を使い、まさか芹沢に直談判したのは驚きだった。
「まぁ、無理をして誰か倒れて荷物が増えるのは嫌だからな」
「「「………うん………」」」
紅妃は何処まで行っても、紅妃だった。