guard&search~幕末転生~


「紅妃!紅妃っ

目が覚めたんだね!!」


目が覚めて、肉体疲労のためかぼんやりしていると、涙を流し抱き着く親友の坂本 柚子がいた。

「良かったっ
良かったょうっ」


い、いたっ

痛いっ


ってか、顔汚い…


「死んだのがど思っだょおぉ」

柚子は、唯一私の過去を知っていて友達でいてくれた子。
背は小さく、ホワホワの可愛いおっとりさんだ。

彼女の家は金持ちだが、皆いい人だ。
こんな私を受け入れてくれた。

「パパもママも柚子も、すごく心配だからっ」



あぁ、だから…
顔ぐちゃぐちゃ…



「柚子…ごめんね?
大丈夫だ…

ちゃんと、ここにいる…」


泣きじゃくる柚子を撫でながら、ナースコールを押す。


こんなに心配されて嬉しく無い訳ではない。


でも…


大切は怖い…

だって守れなかった。


「柚子…
そろそろ放してくれ。

退院しないとな」


パタパタと部屋の外から走って来る音がする。

おそらく、看護師だろう。


「目が覚めましたか?御厨さん。

今先生が来ますからね」

優しい笑顔の、美人な看護師さんだ。

「はい。
よろしくお願いいたします」

ニコっ

「あらっ」


何故か看護師さんは顔を赤くして、柚子はむくれた。



なんだ?



するとまた走って来る音がする。


さて。

約束を果たさないとな…






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