guard&search~幕末転生~

狐と狐の化かし合い



大阪力士乱闘も終わり、その後芹沢達の乱暴な金策も治まる処を知らず続いた。


日に日に土方の眉間のシワは増える一方だった。


過去に自分が一度はやりきった仕事とは言え、二回目は流石にヤル気も起きない。


面倒事は、だいたい沖田か近藤、さらには芹沢から回ってくる。


しかも最近お梅まで屯所にでばって来て、きな臭い。


山崎も、お梅がここにくる前に花街をうろついて、尚且つ、長州の連中がお梅の店に来ていたらしい。


「だりぃ…」


「…それは、私に対する当てつけか?」


思わず出た本心に、紅妃が苦笑いをしながら土方を振り返った。

いきなりの発言に、土方は一瞬意味が解らず、首を傾げた。


「…いくら神の願いとはいえ、私が巻き込んだようなものだしな」


「なッ!!

んなことねぇッ!!


俺たちも望んだ結果じゃねぇか!


今のは、ついだ!つい!」


紅妃が申し訳ない様子に、土方は焦りながらフォローをいれる。

土方があまりにも焦っている姿は珍しく、紅妃はふっと笑ってしまう。


だが、次の瞬間、紅妃はざっと立ち上がり、真剣な表情で振り返った。

「土方、すまないがしばらく私は不在にする。

神から呼び出しがかかった。


土方に任せるが、山崎にはまだお梅を張らせてくれ…






行ってくる」


紅妃は、土方に言いおくと光になり消えて行った。


あまりにも突然に消えた事にびっくりしたが、土方はチッと舌打ちした。


「山崎ッ!!

今すぐ、アイツラを呼べッ!!」







< 148 / 148 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop