guard&search~幕末転生~
「はぁ…
てめぇらいったい何者だ?」
あんまりな展開に、疲れがでる。
こんな時はさっさと本題に入るべきだ。
特に、こんなに警戒心を抱けない知らねぇ相手には。
すると、黒付くめのやつが一歩前に進み出る。
「いきなりすまなかったな。
一つ聞きたいことがある。
…お前…
今、満たされているか?」
「…
どういう意味だ…」
黒付くめのやつからされた質問は、あまりにも唐突で不可解な疑問だった。
まるで、普段の俺を見透かしたような質問。
「そのままの意味合いだ」
そう言うとニヤリと笑い、その顔は知っていると肯定しているかのようだ。
「で…
満たされているか?
現世に…」
現世。
随分な言い方だ。
だが、適切でもある。
俺が普段感じる物足りなさは、『今』の全てに感じるのだから。
「…ハッ。
おめぇなら、わかんのか…
俺の物足りないもんが…
知っているとでも言う気か?」
馬鹿にしたように、今まで寂寥感をなげやりに言うと、次の相手の一言は俺に衝撃を与えた。
「あぁ。知っている」