guard&search~幕末転生~
今までの全てを捨てる…
随分大胆な事だが…
それでも…
「教えてください…
私は、知るべきだ」
己が信じたものを貫く。
決意に満ちた顔で見やると、彼はコクリと頷きにこやかに笑った。
「了解した。
ならば、山南敬介、全てを知るがいい。
『我は神の使い。神は、お前達に辛く、苦しい運命を与えた。神の慈悲にて、死の痛みに安らぎと、来世の幸せを約束する』」
彼の言葉に、私の全てが還って来る。
この世の全てより大切な誠が…
「ッ!!
そうでした…
あぁ…
そうでしたね…
私は、新撰組総長…山南敬介…
お久しぶりですね…
死に際以来ですね…
本当に…ありがとうございます」
私は、全てを取り戻し、嬉しさのあまり涙がこぼれた。
「…他の皆さんは?
土方君や総司達は?」
全てでは、まだ無い。
彼らが居て私の全てだ。
焦って聞くと、彼は、微笑んだ。
「目覚めたのは、お前で3人目だ。
土方、山崎だ。
今は山崎は別行動。
土方はとりあえず放置。
これから、まだ目覚めさせる為に山崎と合流する。
…ついてくるか?」
「行きます」
私は即答した。
また仲間に会う為に。
その日、私は会社を早退した。