guard&search~幕末転生~
今日から一人だ。
外面は良かったから、大学から誘われたが断った。
もう人に関わっていたくなかったから。
お金は株で稼ぐことが出来るから、外に働きに出かける必要ないし。
一応バイクの免許も取ったから身分証も楽。
引きこもり生活万歳だな。
なんて、暗くなりはじめた学校から家への帰り道。
近くの公園に子供達を迎えに来た母親達を流し見ながら考える。
裕太…
死んだ弟と一人の男の子が被ってしまう。
男の子は、どうやらまだ帰りたくないらしい。
母親に怒られ、泣きながら走り出す。
道に飛び出した男の子にかなりのスピードで近づくトラック。
まるで、スローモーションのようだった。
遠くで聞こえる女の悲鳴。
次の瞬間、私の身体に走る強く鈍い衝撃。
私はどうやら、男の子を庇い轢かれたらしい。
私が最後に見たのは、地面に広がる赤と泣き叫ぶ男の子を抱きしめる女。
そして、漆黒の闇…