guard&search~幕末転生~
突然、誰もいなかったはずの埠頭に女の悲鳴が響く。
「…」
せっかくの一人の時間が…
声がした方向に行くと、10人くらいが女2を取り囲んでいる。
「女2人なんて、寂しいだろ~?
オレらが遊んでやるって~」
「いりませんッ!!
触らないで!!」
一人がもう一人を庇いながら、男達を牽制していた。
その様子に、男達はゲラゲラと笑っている。
…不愉快だ。
「…おい。
女相手に多勢に無勢とは、卑怯だぞ」
俺は、男達と女の間に足を進め、女に伸ばそうとした男の手を叩き落とした。
「なんだてめぇ!!」
邪魔された男達を後目に、女を見れば、強がったわりに震えていた。
「…おい、立てるか?
立てるなら、後ろの女も連れてさっさと逃げろ」
「でも…」
「…居ても、邪魔だ」
女は、自分の状態を理解したのか悔しそうに唇を噛むと連れの女を立たせ走って行った。
「待てぇ!」
追いかけようとした男の前に、立ち塞がると、苛立たしげに舌打ちした。
「おっさんが邪魔してんじゃねぇぞゴラァ!!!」
月並みなセリフに呆れたが、男達は広がる。
「……」
「随分楽しそうですね!一君~」
「餓鬼が夜中に何をしてんだ?まぁ、変わらねぇな斎藤も」
「勝手に話すな…
ハァ…」
男達の後ろには、木刀を持ち黒い笑顔の美青年と、木刀を肩に置き煙草を吹かす色気のある男とため息をついた全身黒付くめの青年がいた。