guard&search~幕末転生~
暗い空間の中で、老人は語り始めた。
『良いか、お主は大変な人生を歩んできた。しかも、幼子を守っての事故で今は重態じゃ。
ワシは、お主をずっと見てきた。
そして、このまま死ぬには悲しいと思ったんじゃ』
老人はそっと話しながら座りこみ、暗い空間に手を凪ぐと、病院で沢山のチューブのついた私が見えた。
自分で自分を見るなんて微妙だ。
『今、お主の魂をこの時の狭間に呼び出した。
ワシは、お主に頼みがあるのじゃ』
老人は私の目をしっかり見ながら言った。
『ワシは、過去に辛く、苦しい運命をある男たちに与えた。
彼らは必死に生きた。
だから、転生した人生は幸せであってほしいのだ』
老人がもう一度手を凪ぐと一つの街並みが見えた。
とても古い…日本の風景。
「…これは…江戸時代ですか」
『そう。幕末。
男たちとは…
新撰組じゃ』