guard&search~幕末転生~
パタン…
「?」
湯船に浸かりながら、つらつらと過去やら、これからを考えていると物音がした。
気配を探るが感じ無い。
「気の…せい?」
一応、玄関はオートロックなので閉まっているはず。
気持ち良さもあり、名残惜しいが上がるか…
脱衣場で身体をふき、下着を着ていると、突然脱衣場の扉が開いた。
バンッ!!
「紅妃ッ!!」
「ッ!!??」
手荒く開かれたそこには、斎藤一がいた。
お互いに声も出ず、呆然としてしまう。
いち速く、気を持ち直した紅妃はパッと後ろを向く。
「…
着替え中だ。
とりあえず出てけ」
紅妃の言葉に斎藤は顔をみるみる赤く染め、「すまぬッ!!」と叫び、扉を閉めた。
「…
見られた…」
見せたくないと考えていた傍から、一番厄介な奴に見られた。
『あの時』の事など忘れてるはずなのに…
アイツはまるで大切な者の危機に駆けつけた顔をしていた。
「フフフ…
仕方ない…か」
紅妃は優しく笑うと、覚悟を決めて脱衣場の扉を開けた。