guard&search~幕末転生~
……………俺は、何をしてしまったんだ…
よろよろと数歩進み、斎藤は真っ赤になってしゃがみこんだ。
「…
み、見てしまった…」
斎藤は、こうなってしまった経緯を思い返す。
井上の発言に心配になり、駆けつけたまでは良かった。
もし、襲われていたら、犯人に気付かれ無いため気配を消した。
気配を探ると、一室に気配があり一人の気配だけだった。
最悪な考えばかりが過り、焦って突入してしまった。
そこには、裸に近い紅妃がいた。
身体は沢山の傷痕があったが、傷痕の無いとこはすべすべで、湯上がりで、火照った頬や濡れた髪は艶っぽく美しかった。
呆然と見惚れていると、紅妃は後ろをむき、「出てけ」と言った。
いや…もっと言っていた気もするが、頭の中には紅妃の姿で一杯で、やっと理解出来たのはその一言だった。
何しろ、彼女の背中に見惚れていた。
彼女の背中には、まるで彼女を抱きしめるように、広がったケロイドの跡。
斎藤には、愛撫をするかの如く広がる跡は美しい蝶に見えた。
その跡すら、羨ましく感じてしまった。
しばらくモンモンと考えていると背後の扉が開き、はっと現実にかえる。