guard&search~幕末転生~
新しき隊士
空は澄み渡り、広く青い。
町中は平屋が立ち並び、古き良き時代だ。
八木邸に一つの足音が響く。
バタバタッ!!
スパーンッ!!
「土方さーんッ!!
入りましたッ!!」
「そぉおぉぉじぃぃい!!!
てめぇは、何回いゃぁ…「聞いてくださいよッ!!」…はぁ
んだよ?」
景気良く開いた部屋は煙草を燻らせ、書類まみれの土方の副長室。
総司はさっさと散らばった紙を適当に寄せ座り込んだ。
「か…」
「か?」
「甘味が足りませーーんッ!!」
「はぁいいぃ!?」
何か大事があたっかと思えば、よりによって、『甘味』ときた。
くだらなさに、土方は反応が遅れれば、総司はさらに良い募る。
「やはり、未来の甘味を知った私としては、今の甘味では足りません!
ここは、さっさと殺って帰るべッ!!」
ガンッ
甘味について熱く語り、果ては未来とまで言った総司に有無を言わさず土方は鉄拳を食らわせた。
「いッ!!」
「馬鹿かおめぇはッ!!
軽はずみに言うなッ!!」
「だってぇー
私達来てもう1週間ですよ?
紅妃さんはまだ来ないのが悪いんですよ~」
こいつは…
確かに、俺達が来て少し経つが一向に紅妃が来た気配はない。
山崎には、お梅を張らせてはいるが、なかなか尻尾をださねぇ。
「俺だって、同じ書類を2回もやるなんざごめんだがな、仕方ねぇだろ。
我慢しやがれ!!」
他の奴らも、隊務をこなしてはいるが紅妃が来ないことは心配している。
特に、斎藤や総司、山崎はピリピリしていた。
「…はぁ…
とりあえず、団子で我慢しろ。
ってか、おめぇ稽古だろうがッ!!
早く行け!!!」
土方の雷も諸ともせず、総司はブチブチ言いながら、退室した。
「早く来いよ…」
青い空に土方の呟きがとけた…