O君へ・・・配達されない手紙
第3信
きょうは
Kちゃんを見舞いに行ったことを
書いてみよう
君がKちゃんのことを
どう思ってるかは知らないけど

多分
仕事のことでは
けっこうきびしいことを
言ってたから
君は好きじゃないだろうけど

悪縁と言おうか
腐れ縁と言おうか
Kちゃんとの縁は
彼が切らないから
切れないで続いてたってことだけど

それは
君とのことでも
案外同じことが言えるね
君が電話をしてこなければ
縁は切れていたからね

つまり
僕の方からは
連絡しようと思わないし
連絡したいと思っても
住所も電話番号も知らなかったからね

田舎との縁のすべて・・・
田舎の友達や
家族との縁も
一時は切って
出奔した身だから

ほんとは人懐っこい人間だし
大家族にあこがれていたし
わいわい騒がしいことが好きだし
だからつながった縁は
自分からは切ろうとしないんだろうね

来るものは拒まず
去るものは追わず
って前に書いたけど
去って欲しくない気持が
そこにはあるんだろうね

そんなことで
Kちゃんとつながった縁で
なにかと面倒をみることになった
パソコンも貸して
インターネットできるようにして

何かの時にと
ケイタイも用意してあげて
自分だって余裕があるわけじゃないけど
だから自分はケイタイ持ってないのにね
そのケイタイが今回は役に立ったわけだね

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