続・私はペットです。雌犬です。
「言葉の通りです。俺が、愛を誓うのは…彼女です」
記者の質問に返答しながら、俺は会場入り口に立っている黒い犬を見つめる
俺の視線に気づいた報道陣も、一斉に後ろを振り向き黒い犬の着ぐるみを確認した
「彼女が俺の大切な子です。普通の一般女性なので、着ぐるみのままでお願いします」
俺がそんなことを注意している間も、ピクリとも動かない黒い犬の着ぐるみ…心菜
たぶん、まったく状況を理解出来ていないんだろうね…
とりあえず、早く彼女を感じたい
「おいで、クロ」
俺の声でピクリと反応を示す
散々待たせた後だから、"おいで"と言って来てくれるかなんて、俺には分からない
でも、信じて手を差し出す
お願い…来て…