君へ
君へ

慣れた生活




清々しい朝、太陽はしっかり上をさしていて、屋根にとまり、ちゅんちゅん鳴く小鳥は朝を感じさせる。



新鮮な空気を吸い込んで、窓から身を乗り出す。





……最悪だ。





急いでパッと目をそらした。なんで朝っぱらから目にしちゃうんだろう。



久しぶりに上機嫌だった心がズーンと沈んだ。




思わず近くにあったグランドピアノに隠した体をいそいそと出す。




馬鹿みたい……





あんなとこからここが見えるわけないのに。





ハッとして壁についている時計に目を向ける。



今の時刻は8時53分。
地獄の時間が追ってきている。




もうすぐ予鈴が鳴るだろう。




「……ピアノでも弾こっかな」




一人ポツンと置かれたピアノ。あたしには弾いてほしいと訴えてるように見える。


単なる思い込みだろうけど。




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