落ちこぼれの恋愛事情。
不意討ちの励ましに、
口元が緩んだ。
いくぶん元気を取り戻した私は、
ほどなくして修正していた部分を全て直してしまった。
「さて、後はこのファイル課長に送ったら終わり!」
私はエンターキーをタンッ、と押した。
誰もいない部屋に、
軽快な音が響いた。
私はその後、そそくさと荷物をまとめると、
部屋を飛び出した。
気持ちは軽かった。
誰もいないはずの部屋で、
微かに物音がしたのなんて気づきやしなかった。