揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「これが克也だったら、うまくいかなさそうだよな?」


笑いながら、雅志がそう言ってきて。

俺は、今日まだ見ていない親友の顔を思い出していた。


「アイツ、恋愛とかよく分かってねぇじゃん?」


確かに、アイツが誰かを好きとか聞いた事もないし。

キスしただけで、一線を越えたと思ってるような奴だけど。


「でも、意外と頼りになる奴だよ」


それは、本心だった。


克也がいたから、俺は由佳とつき合う事ができたんだと思うし。

アイツが間に入ってくれたおかげで、すれ違いそうな俺達がちゃんと一つになれたんだ。


「そうかぁ?」


納得いかないって顔をして、雅志はそのまま歩き出す。

俺も歩きながら、こっそりと携帯をポケットから出した。


メールをチェックするけれど、由佳からの返信はまだ来ていない。


もちろん、学校に行ってるんだから打つ暇が無いのかもしれない。

もしかしたら、携帯を家に忘れていってるかもしれない。

どこか調子が悪くて、寝込んでしまっているのかもしれない。


こんなにメールが待ち遠しく感じるのは、初めての事だった。
< 101 / 337 >

この作品をシェア

pagetop