揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「もし…好きな奴がいるって言われたらさ、それが誰なのかも聞いてくれよ?」


真顔で、そう告げてくる。

相当切羽詰まってる感じで、何とかしてやりたいって思ってしまう。


「分かったよ、ちゃんと聞いとくから」


京料理といった感じの夕食に手を付けながら、安心させるようにそう答える。

見れば、いつも給食を早食いする雅志のお膳には、ほとんど手つかずで料理が残っていた。


ホントに、彼女の事が好きなんだな。


そう思ったら、無意識のうちに頭の中に由佳を思い描いていた。


俺なんかよりずっと幼く見える、彼女の笑顔。

何度この手で抱いても、いつも初めてのような反応を見せてくれるあの体。

愛らしく、それでいて艶めかしい喘ぎ声を漏らすあの唇。


どれもが愛しくて、今すぐにでもこの手で抱きしめたくなる。


あれから何度確かめても、一向に増えない受信メールボックスの中。

メールを読んでもらえたのかも分からないし、読んでどう思ったのかも分からない。


メールが来ない事の辛さを、ホントに身をもって実感した。


あとで、電話…してみようかな。


風呂を出てから、消灯までに時間がある。

メールが来ないのなら、直接電話して確かめるしかない。


そう決意を固め、とりあえず目の前の料理を再び堪能し出した。
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