揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
夕食が終って、一旦部屋に戻り。


しばらくうちのクラスの風呂の順番がこない事を確認して、俺は部屋を後にした。

廊下を歩いている奴らも、まだそんなに見られない。


先生に見つからない事を祈りながら階段へ行くと、踊り場には既に篠原さんの姿があった。


「ごめん、遅くなって」


周りに人がいないのを確かめ、ゆっくりと階段を下りて行く。


「ううんっ、私も来たばっかりだから」


そう言って慌てて笑顔を作る彼女の顔は、なぜだか赤くなっているように見えた。


「呼び出したりして、ごめん。ちょっと篠原さんに訊きたい事があるんだ」


「な、何……?」


隣に並ぶと、一層彼女の小ささが際立って分かる。

大して俺も大きい方じゃないけれど、彼女といると背が高くなったような気がする。


そんな事を考えながら彼女を真っ直ぐに見下ろしていると。

赤かった顔を更に赤くして、彼女は俺から目を逸らしてしまった。


「篠原さんってさ、つき合ってる奴とかいる?」


「えっ?」


逸らされたはずの視線が、また俺と絡み合う。
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