揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「わ、私……」


すぐに名前を出さない彼女の言葉を、俺はじっと黙って待っていた。

下手に口を出したら、教えてもらえないような気がして。


「私が好きなのは……」


「……」


「私が好きなのは、神崎君なのっっ」


「……えっ?」


突然出された自分の名前に、一瞬反応ができなかった。

『神崎』なんて名字、この学年には1人しかいない。


じゃあ、俺ってコト……?


驚きと同時に、どうしよう?という気持ちが芽生えてくる。

雅志にどうやって伝えればいいのかが、分からない。


「5年の時から、神崎君の事が好きだったのっ」


繰り返される彼女からの告白にも、正直どう答えていいものか分からなくて。

ただただ、彼女を見下ろす事しかできなかった。
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