揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「別に、男としてのプライドとかそんなんじゃなくてさ。由佳には、ちゃんと俺っていう彼氏がいるんだって皆に知らしめたいんだよ」


真っ直ぐにこっちを見ながらそんな事を言われたら、かなり照れくさくて。

きっと、私の顔は真っ赤になってると思う。


「うん、そうだね」


「俺は、由佳の彼氏として相応しい男になりたいんだ」


彼の真っ直ぐすぎるぐらいに芯の通った性格は、決して嫌いじゃない。

というか、羨ましく感じる。


彼より5つ上だからか、それとも元々の性格なのか。

私は、自分の気持ちをごまかす手段を…いつの間にか幾つも身に付けてしまっていた。


世間体を気にしてみたり。

妥協という名の諦めを簡単に受け入れたり。

はっきりとモノを言えなくなって、オブラートに包むようになっていたり。

自分の限界を勝手に決め付けて、いろいろな事に挑戦していく事もやめてしまっていたり。


そんな自分が、彼といると自然と浮き立って来る。


自己嫌悪に陥ってしまう反面、私は彼からたくさんの刺激を受けている。


自分が忘れてしまいそうな事。

無くしてしまいそうな事。


そんな事を、彼のおかげで自分の中に残せてる気がするんだ。
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