揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter14

俺は…夢を見ていた。


明らかに、自分でも夢だって分かっている。


だって、俺が由佳と同じ高校に一緒に通っているから。

前に諒斗が着ていたブレザーの制服に俺も身を包み、教室で由佳と何やら話をしている。


何を話しているのかは、よく分からないけれど。

由佳が凄く楽しそうで。

それに相槌を打つ俺も、凄く楽しくて。


こんなたわいもない光景が、現実の俺にはどう足掻いても手に入らないから。


たとえ夢だって分かっていても、この幸せを壊したくは無かった。




「大翔っ?聞こえる?」


その声は、明らかに由佳のモノじゃなかった。


相変わらず、由佳は楽しそうに何か話しているけれど。

その声は違う所から聞こえてくる。


どこかで聞いた事のある声。

誰の声だっけ?


それに、どこから呼んでるんだ?


まぁ、いいや。

頼むから、邪魔しないでくれ。


せめて夢の中だけでも、由佳と同い年でいたいんだよ……。
< 110 / 337 >

この作品をシェア

pagetop