揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「大翔っ、お願いだから目を開けて!」


さっきと同じ声が、また聞こえてくる。


誰だっけ?この声。

俺と由佳を邪魔する、聞き覚えのある声。


あぁ、そっか……。


アイツの声だったんだ。


「り…か?」


現実へと戻りつつある意識の中で。

俺は、声の主であろうアイツの名を口にした。


次第に目が開いていくのが分かり、真正面にある蛍光灯の眩しさに自然と顔をしかめる。


「大翔、気がついたっ?」


だんだんと、意識がはっきりしていくと。

心配そうに俺を見ている、梨香の姿が視界に入ってきた。


クラスの違うアイツに、久しぶりに会った気がする。


っていうか、ここ…どこだ?
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