揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「彼女って、篠原さんの事?」


瞬間、梨香の顔が少し曇った気がした。

そのまま、黙って俺の右側の方を指差している。


ベッドの上で仰向けに寝ていた頭を、俺はゆっくりと右へと傾けていった。

何となく頭に痛みを感じつつ、俺は自分の右隣のベッドを見た。


そこにいたのは、確かに篠原さんだったけど。

彼女は、目を閉じて上を向いていた。


その向こうには、彼女の両親らしき人の姿があって。

心配そうに、ただ黙って彼女の事を見ている。


「意識、まだ戻らないみたいなの」


梨香の言葉に、俺の胸がズキンと痛んだ。


落ちる瞬間に庇ったつもりだったけど、彼女だって無傷なわけがない。

どこかに頭をぶつけた可能性だってある。


俺の…せいだ。


俺のせいで、彼女がこんな目に……。
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