揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「試合…出してもらえますか?」


監督である鈴木先生に、そう尋ねた。

何を馬鹿な事をと言わんばかりに、先生は驚いて目を見開いている。


まぁ、当たり前の反応だよな。

こんな体の奴を、試合に使うわけがない。


でも、俺はこの大会にどうしても出たかったんだ。


たかが、小学生の大会かもしれない。

だけど、今の小学6年生が4年経ったら高校生になる。


甲子園に行くためには、今の奴らといずれかは戦う事になるんだから。


「たまにはベンチからチームを見る事も、大切な勉強だと思うぞ」


だけど、先生の答えは思った通りで。

4年で野球チームに入ってから、初めてベンチでの試合参加を言い渡されてしまった。


「……はい」


悔しいけれど、そう答えるしかない。


こんなケガぐらいで、試合に出れないだなんて。

バチが…当たったんだろうか?


由佳を悲しませてしまった、バチが。
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