揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
揺れる想い-side由佳-

chapter15

「ほんっと感じ悪いわよ、あんたの元カノ」


火曜日の朝。


教室に入って来たばかりの諒斗を捕まえ、沙希は昨日の片山さんの一件を一通り報告した。

そして最後に言い放ったのが、さっきのセリフで。


今日も、沙希は朝からご立腹だ。


「まさか、由佳んトコに来るとはなぁ」


机に頬杖をついて聞いていた諒斗は、驚きを隠せない声でそう言った。


自分の元カノのこんな話、もしかしたら聞きたくなかったかもね……。


そう考えると、なんだか申し訳ない気になる。


「アイツ、プライド高いし。俺がどうこうじゃなくて、振られたって事が納得できないんだろうな」


「さすが。そうやって言ってたよ、片山さん」


彼女の事をよく分かってるなぁ、って感心してしまって。

思わず、拍手まで贈ってしまった。


「とにかく、迷惑掛けて悪かったな」


真顔でそう謝ってくる諒斗に、不覚にもドキッとしてしまい。

疚しい気持ちを追い払うかのように、私は慌てて首を横に振った。
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