揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「悪りぃー、大翔!」


そう言って、足音がもう一つ近づいて来る。


聞いた事のある、この声。

っていうか、克也の声じゃんっっ!


……ますます、見つかるわけにはいかなくなってしまった。


「しっかりしてくれよ、二塁手さん」


そう茶化す大翔君の声は、穏やかな感じがして。

いつも克也とこんな感じなのかなぁ?なんて、つい考えてしまったり。


そして克の方は、


「手が滑っちゃってさぁ」


なんて、家での態度と一緒で。

笑って誤魔化そうとしているのが、よく分かる。


「俺も捕ってやれなかったし、あいこだよ」


「次はいい球いくから」


そして、2つの足音は一緒に遠ざかって行った。


ふうーっっ。


とりあえず、見つからなくてホント良かった。
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