揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
木の陰で2人の後ろ姿を見送りながら。

ホッとしたような、残念なような気持ちに駆られていた。


もし声を掛けてたら、状況が何か変わってたのかな?


ふと、そんな事を考えてしまった。


金曜日じゃなくて、今日でも明日でもメールをくれるんじゃないか?とか。

電話するよ、って言ってくれるんじゃないか?とか。


軽い後悔の念に襲われる。


すぐ…そばにいたのに。


走って来た彼の、何だか色っぽい息遣いにドキドキしちゃうぐらいに。


声を掛けたら、ちゃんと気付いてくれるぐらいの距離。

もしかしたら、フェンス越しに手だって繋げたかもしれない。


キスも…できたかもしれない。


って、それはいくらなんでも無理か。


ここ、小学校だし。

克也も後から来たし。

間にフェンスの棒があって、唇が重ならないかもしれないし。


っていうか、何考えてんの私っっっ。

これじゃあ、まるで…まるで……欲求不満じゃんっっ!


……とりあえず、帰ろ。

このままここにいたら、変な妄想してしまいそうだし。


変に気持ちを高ぶらせたまま、私は家路を急いだ。
< 126 / 337 >

この作品をシェア

pagetop