揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter16

家に帰った私は、制服からラフな私服に着替え。

約10分間、携帯の画面を睨み続けている。


諒斗にもらった、先輩の携帯番号とメアド。

とりあえず電話帳に登録を済ませ、昨日の事を謝る為のメールを作成したものの……。


さっきから、一向に送信ボタンを押せずにいる。


「べ、べつに問題ないしっ」


そんな独り言を吐きながら、私は送信ボタンの上に置く震える親指に神経を注ぐ。


メールの内容は、誰が読んだって当たり障りのないモノ。

だけど、これを送信してしまったら?


沙希や諒斗が心配しているような事に…なってしまうのだろうか?


「ま、まさかねっ」


乾いた笑いと共に、また独り言が漏れる。

先輩がどういう意味で私に番号を預けたのかは分からないけど、私には断る理由が見つからない。


大丈夫、先輩は悪い人じゃないっ。


心の中で何度か唱え、私は思い切って親指に力を入れた。

そのまま送信ボタンが押され、メール送信中の画面へと切り替わる。


お、送っちゃったぁ……。


送信OKの画面を見たら、なんだか全身の力が一気に抜けた気がして。

ベッドの上で、ぐたっとしかけた時だった。
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