揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「えっ!?」


神崎大翔の…母?


っていう事は、大翔君のお母さんって事!?


『いきなり電話してしまって、ごめんなさいね』


脳裏に、あの若くて綺麗な女性の姿が浮かぶ。

その姿は、土曜日に偶然会った時のモノ。


「い、いえ……」


まさか大翔君のお母さんから電話が掛ってくるだなんて、思いもしなくて。

上ずった感じの私の声は、心の動揺を隠しきれていない。


『実は、あなたにちょっとお話があるの。明日の夕方、少しお時間頂ける?』


「あ、はい……」


断る理由が見つからず、とりあえずそう返事をしていた。

だけど、内心はかなり動揺している。


だって、いきなりの大翔君のお母さんからの電話。

それに、私に話があるって……。


『じゃあ、4時に駅のそばの≪ラ・マンドール≫に来てくれる?それと、この事はくれぐれも大翔には内緒でお願いね』


そこまで言うと、大翔君のお母さんは一方的に電話を切ってしまった。

私の耳元では、プーップーッという機械音だけが繰り返し聞こえてくる。
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