揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
≪別れる≫


改めてその言葉を思うだけで、胸がぎゅっと掴まれたように苦しくなる。


こうして大翔君とつき合うようになるまで、私達はかなりの障害を乗り越えてきた。

やっと、2人は結ばれたのに。


それなのに、また別れなくちゃいけないの?


「い…や……」


噛みしめていた唇の隙間から、想いが言葉になって漏れていく。


小刻みに体が震えだし。

鷲掴みされたような胸の痛みに、自然と顔をしかめていた。


「やだよ……」


別れるという事は、大翔君とは一緒にいられなくなるという事。

前に、私から別れを切りだした時とは事情が違う。


2人が1つになれる事の悦びを、私は知ってしまったから。


大翔君に囁かれ、キスをされ、優しく触れられながら…彼自身を私の中に迎え入れる。


大翔君が私を愛してくれている。

そう感じられる、幸せな時間。


別れるっていう事は、その時間も無くなってしまうという事。
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