揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
それどころか、大翔君と2人で会う事もできないし。

『由佳』って、呼んでもらえなくなるかもしれない。

話もできなくなるかもしれない。


考えれば考えるほど、息が苦しくなってくる。

喉の奥が塞がってしまったかのような感覚に襲われ、息遣いも自然と荒くなっていく。


お母さんに言われたら、大翔君は「私と別れる」って言うのかな?


私と別れたら、また新しい彼女を作るの?

それとも、水沢とヨリを戻す?


どっちにしても…耐えられないよ。


「大翔君……」


今になって浮かんでくるのは、彼の笑顔ばかり。


私をからかっては、悪戯っぽく笑う彼。

私を愛してくれる時に、ふと見せる優しい笑顔の彼。


それが私のモノじゃなくなるなんて考えたら、気が狂いそうになってくる。


別れたくない、手放したくない。

これからもずっと2人でいるって約束したんだから。


「別れたくないよ……」


ここにはいないはずの幻影に向かって、私は懇願する。

だけど、彼はただ笑っているだけで。


とめどなく溢れ出てくる私の涙を、拭ってくれる事はない。


会いたいよ、大翔君……。
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