揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「別に、先輩は変な事打ってこなかったよ。ただ、『メールくれてありがとう』って」


「それだけじゃないでしょ?」


「あ、後は『何かあったら気軽にメールしてきて』って……」


それを聞いた沙希の顔は、やっぱり今日も険しくて。

どうしてここまで毛嫌いするのか、正直私には分からなかった。


私の事を心配してくれてるっていうのは分かるんだけど、必要以上に先輩を警戒してる気がして。


「とにかく、由佳からは絶対メールしちゃダメだからね。もちろん電話も」


有無を言わせぬ迫力に、私は頷かざるを得なかった。


「でも、あんたの寝不足の原因がチャラ男じゃないんだったら、何?彼氏と何かあったの?」


「えっ?あっ、ち、違うよ。ちょっとケータイ小説読み出したら、止まらなくなっちゃって。単なる寝不足だから」


えへへ、と笑って見せるものの。

うまく笑えてる自信が無い。


ホントは、違うんだよ。

彼のお母さんに呼び出されてるの。


そう言ってしまえば、楽になれるんだろうけど。

これ以上、沙希に心配をかけたくは無かった。


「ならいいけど。寝不足は肌にも悪いし、今日は早く寝なよ?」


「うん、そうする」


そう答えたものの、私は心のどこかで確信していた。


今夜もきっと、寝不足に違いないって……。
< 135 / 337 >

この作品をシェア

pagetop