揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「お願いだから、今日は私の顔を立てて?ケーキと飲み物、好きなのでいいから」


これ以上断るのも何だかいけない気がして、私はお言葉に甘えてごちそうになる事にした。


モンブランとミルクティー。


それを注文し終わると、私達の間に一瞬緊張が走った気がした。


「ここのケーキ、凄く美味しいから。大翔も好きで、チョコレートケーキをよく食べるのよ」


その緊張を打ち消すように、お母さんはそう言って微笑んでくれた。


別れ話だなんて、私の取り越し苦労だったのかも。

そう思えるような、優しい笑顔だった。


だから、思わず耳を疑ってしまったんだ。


「大翔は…あなたの事も食べたのかしら?」


お母さんの、その言葉に……。


「えっ……?」


突然の事で、どう答えたらいいのか言葉が見つからなくて。

その綺麗な顔が、一瞬で妖しい笑顔に変わっていくのを見ているだけだった。


「つき合ってるんでしょ?あなたと大翔」


優しかった微笑みが一変して、鋭い眼差しを私に向けてきている。
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