揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「私よ」


「……?」


真面目な顔をして発せられた言葉の、意味を理解できなかった。

小首を傾げ、私は大翔君のお母さんを見つめ返した。


「私が、大翔の本命の彼女なの」


「えっ……?」


この人は、何を…言ってるんだろうか……?


大翔君の本命の彼女の事を聞きたいのに。

私をからかって、楽しんでるの?


「信じてないみたいね。私と大翔が愛し合ってるっていう事」


フッと鼻で軽く笑うと、彼女は手にしていたカップに口を付けた。

私はというと、彼女の真意が読みとれずに困惑するだけで。


だって親子で愛し合ってるとか、この人は何を言ってるの?

自分が本命だなんて……。


「その様子だと、知らなかったみたいね。私と大翔は血が繋がってないって事」


「えっ?」


もちろん、初耳だった。
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