揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
『待ちくたびれちゃったわよ』


続けて聞こえるのは、今私の目の前にいる彼女の声。

そういえば、さっき≪まどかさん≫がどうとかって言ってたんだっけ。


お母さんの事、名前で呼んでるんだ……。


それだけで、私の胸は落ち着きを無くし始めていた。


『今日は、灯り点けてないんだ?』


大翔君の言葉からすると、家の中って事なのかな……?

灯りが点いてないから、画面が暗いんだ。


『明るくないと、燃えない?』


彼女…まどかさんの声がしたかと思うと、急に画面が明るくなった。


明るいと言っても、オレンジ色の光が周囲を少し照らしているだけで。

はっきり何もかも分かる程じゃない。


どうやら、点けたのはベッドのそばの照明らしい。

オレンジの光に照らされたベッドには、布団に包まれたまどかさんの顔があった。


『別に、灯りはどっちでもいいよ』


その声と共に、画面に大翔君の後ろ姿が映し出された。

そのまま彼の体は前屈みになっていき、ベッドに横たわっていたまどかさんの上に覆い被さっていく。


な、何これ……?


私の心臓が、バクバクと激しく動き始める。
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