揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
私は無言のまま、ビデオをまどかさんに差し出した。

スイッチを入れたままのビデオは、そのまま彼女の喘ぎ声と大翔君の甘い囁きを流し続けている。


「もう、見ないの?」


残念そうな表情を浮かべ、彼女はビデオを受け取った。


「もう、十分です……」


私の様子に満足したのか、彼女は笑みを浮かべながらビデオの電源を落とす。


「どう?これで、納得してくれた?」


ホントは、すっごく悔しいけれど。

こんなの見せられたら、嫌でも認めざるを得ないじゃない。


私は下唇を噛みしめながら、コクッと頷いた。


「さっきも言ったけど、別に大翔との関係は続けてくれて構わないの。というより、私達の関係を隠す為に協力してくれない?」


ガラステーブルにビデオを置き、まどかさんは薄く笑みを浮かべながら私を見てくる。

不満を抱えている私の表情を楽しんでいるかのように。


正直、これからどうしたいかが自分でも分からない。


いくら血が繋がってないとはいえ。

母親を1人の女として愛する大翔君に、少し抵抗を感じてしまっているのも事実だった。


「私…帰ります」


とりあえず、1人になって考えたかった。


それに、これ以上彼女と一緒にいるのが苦痛で仕方ない。
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