揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
血の繋がらない美しい母親を、1人の女として抱いていた彼。


その様子は、まるで自分が彼にされている時の様で……。

胸に、ズキンときた。


まどかさんの身代わりとして、私を彼女の様に抱いてたっていう事?


信じられないけど、自然とそう思えてくる。

そうなってくると、大翔君の事をどこまで信じていいのかが分からない。


全部…嘘なの?

私の事を好きだと言ってくれた事も、可愛いと言ってくれた事も、愛してると言ってくれた事も。


私も水沢と同じなの?

お母さんとの関係を隠す為の、カムフラージュでしかないの?


信じられない。

信じたくない。


「……ふっ」


自然と、自嘲する様な笑みが零れた。

自分の愚かさが、呆れるぐらいに可笑しい。


あんなビデオを見せられてもまだ、私は大翔君を信じようとしている。


分かってるくせに。

彼が本当に愛してる人が誰なのか。


だってそうでもなきゃ、親子であんな事するわけないもの。

いくら、血が繋がってなくたって……。
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