揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
胸の奥にズキンと痛みを感じ、思わず顔をしかめた。

脳裏を過ぎるのは、ビデオの中の激しく愛を与える彼の姿。


まどかさんにビデオを返した直後に聞こえて来た声が、嫌でも耳に残ってる。


『愛してるよ、まどかさん』


耳を疑ってしまうような、彼の言葉。

だけどそれは、私に言ってくれる時と同じような気がして。


小学生らしからぬ彼の言動。

彼に抱かれている時は、そんな事全然気にならなかったのに。


彼の愛を、一身に受けているとばかり思っていたのに……。


いつの間にか、目頭が熱くなってきていた。

溜まりつつある涙の雫が、私の視界をだんだんとぼやけさせる。


すぐ、そばにいたのに。


声を掛ければ、追いかければ。

きっと、大翔君は気付いてくれただろうに。


だけど、できなかった。

金曜に彼が連絡すると言った事もあるけれど、それだけじゃない。

すごく遠く感じたんだ。

まるで、私の好きな大翔君じゃないような。


そんな…違和感を感じてしまって。
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