揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
今までと同じ気持では、もう彼に接する事はできない。

これからの私は、もう彼の言葉を鵜呑みにはできないから。


『愛してる』


何度言われたって、きっと素直に喜べない。

どんな甘い囁きを聞いても、私は疑ってしまうんだ。


本当に愛してるのは、まどかさんなんでしょ?


って……。


堪えていた涙が、音もなく頬を伝って流れ落ちていく。

一粒、そしてまた一粒。


一度零れ始めた涙は、なかなか止まりそうにない。


好きでいたのは、私だけなの?

私達…偽物の恋人だったの?


彼を信じていた僅かな心が、大きく揺れている。


もう限界だった。

これ以上、彼を信じられる自信がない。


私は、鞄から携帯を取り出した。

誰かに…助けて欲しかった。


ぼやける視界の中、沙希の番号を探して通話ボタンを押してみる。

トゥルルル…としばらく呼び出してはいるものの、電話に出る気配が無かった。
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