揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
今日、バイトって言ってたっけ……。


学校で沙希と話をしていた時の事を思い出した。

バイトの間は例のロッカーに携帯を置いてあるから、まず電話には出れない。


沙希に聞いて欲しかったのに。

この、苦しい胸の内を。


そして、これから私がどうするべきか。

それを導いて欲しかったのに。


その時、ふと思い出した。

この間、彼から私に掛けられた優しい言葉を……。


『何かあったら話聞くって言わなかったっけ?俺って、頼りない?』


そう言って、優しく涙を拭ってくれた真吾。

その優しさに、どうしようもなく甘えたくなってしまった。


彼を振った私なんかに、そんな資格はないんだって分かってるけれど。


でも、真吾に話を聞いて欲しかったんだ。

私がこれからどうしたらいいかを、教えて欲しい。


ひどい女だって分かってる。

甘え過ぎてるって事も分かってる。


それでも…どんなに罵られたとしても、今の私には真吾の存在が必要なんだ。
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