揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「由佳ちゃんを悲しませるような奴、別れちまえよ」


再び、私の左の耳元で囁かれる声。

大翔君より低い、ちょっと大人な感じの甘い声。


自分がドキドキしているのが分かる。

理性の糸が、切れそうになってくる。


「俺にしとけよ?ソイツの事なんか、忘れさせてやるから」


優しかった口調が、どんどんと強引になっていく。


だけど、そんな先輩の言葉に。

気持ちが揺れている。


「私……」


そう口を開くものの、本当は続ける言葉なんて無かった。


このまま黙っていたら、私は絶対に流されてしまう。


そう…思ったんだ。


「彼氏は、その女とどこまでヤってたんだよ?」


そう言って、先輩はいきなり私の左の耳朶を舐めてきた。


「やっ……」


突然の事に驚きながらも、咄嗟に甘い声を出してしまっていた。


その舌使いが、大翔君とすごく似ていて。

認めたくないけれど、感じてしまったんだ。


「こんな事、シてたって?」


耳朶から舌を耳の中に這わせていき、今度はピチャピチャと私の聴覚を刺激してくる。

ここが外なんだっていう事を忘れるぐらい、私の神経はそちらに向けられていた。
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