揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「脱がして…いいよ」


いつの間にか、『由佳』と私を呼ぶ先輩。

いつの間にか、敬語を使わなくなっていた私。


傍から見たら…きっと見えるんだろうな。

私と大翔君じゃ見られなかった、≪恋人≫に。


「脱がしたら、途中で止めれないよ?」


2つ上の先輩は、幼い子に言い聞かせるように私の頭を軽く撫でてきた。

無理するなと言わんばかりに、私を優しく見下ろしてくる。


「シャワー浴びないと…その気にならない?」


いつもの私では、とても考えられない言葉。


今の私は、自分であって自分でないような。

そんな…よく分からない状態。


少し震える体を悟られないように、私はじっと先輩を見上げた。


「まさか。いいよ、俺が綺麗にしてあげるから」


バスタオルをテーブルの上に放り投げると、先輩は私のブラウスのボタンに手を掛けてきた。

器用に、一つずつ簡単に外していく。


されるがままになりながら、私はきゅっと瞼を閉じた。


その瞬間。

私の中で、先輩は大翔君の幻影とすり替わる。
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